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研究・歴史

土屋家の先祖たち

著 / 土屋亨
サイズ:A5判
製本:ソフトカバー
ページ数:104ページモノクロ
発行日:2011年2月19日
内容紹介(一部)
まえがき

一家の先祖に関する情報は、直系の子孫へ相伝するのがふつうである。時代を経るにつれ、家ごとの記録が散逸してしまうのは避けられない。また分家には、家伝の古い部分が伝わらないこともある。核家族化した現今に限らず、古い先祖を知らない家は珍しくなかったようである。

家伝の大半は個人情報だが、部分的に公文書へ取りこまれる。現行の戸籍簿は、家系情報を含む公文書である。それ以前は、戸籍のような全国規模ではなく、地域や身分ごとにまとめられていた。たとえば江戸幕府は、直臣らに家譜を提出させ、厖大な武家系図集を編纂している。各藩でも、家臣の系譜を把握していた。

私文書の家伝は、記載に加えられた粉飾を見わけ難く、欠落個所の復元も困難という弱点をもつ。そのような不備を補うには、公文書に埋もれた家系情報を探し出し、照合してみる必要がある。門外漢に閲覧可能なのは、古文書すなわち用済みとなった公文書や、それを紹介した文献の範囲に限られる。目当ての情報が残存しているか否かは、調べて確かめねばわからない。


当家の場合、亡父の本籍地である山形県鶴岡市の戸籍をさかのぼると、曽祖父母からの記載が見られる。二人とも天保年間に生れ、明治年間まで存命した。明治十九年様式の除籍簿なので、族称の記載欄が設けてある。族称とは華士族や平民などの身分を示す呼称であり、謄本ではその欄が隠されてしまう。伏せ字の個所は、ほかの記録から知るしかない。除籍簿の保管期限は八十年だというから、このような古い記録もいずれ廃棄されるのだろう。

江戸時代については、祖父の筆になる画帳『莊内美談』が有力な手がかりになる。祖父の家系が序文に略記されており、戸籍にあった曽祖父が二代目という江戸末期の分家である。初代については「土屋渡留ノ二男以槍術被召出一家創立」とあるだけで、渡留家の系譜は記されていない。

『莊内美談』の本文は、文化年間に庄内(山形県鶴岡市)でおきた仇討事件の記録である。土屋一族は「酒井氏譜代ノ侍也」とあり、歴代にわたり庄内酒井氏の家臣だという。土屋渡留の跡継ぎの三蔵も登場するが、その系譜には触れていない。渡留家の情報は、他の庄内記録から探し出すのが本筋であろう。