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エッセイ+短歌集

遠き山並み

著者 / 大山みよ
サイズ:B5判
製本:ハードカバー
ページ数:154ページ(オールカラー)
発行日:2009年7月7日
あとがき

私が短歌に興味を持ち始めたのは、朝日新聞に載った「えにしだ短歌会」会員募集の一行の記事でした。何となく心が動き、問い合わせしたところ、「興味があるということは、それだけで能力があるということですよ」と煽てられ、あっさり入会しました。入会してみたものの、この道の右も左もわからず、ましてや周りに知る人もなく、何度か辞めようと思いながらも、気がついたら十年近く経っていました。
 過去を語ることは後ろ向きと知りながら、私は振り返りながらまた将来があると信じ、さらには娘や孫達に、そして身内の人々に書き残しておきたい気持ちと重なり、今まで書きとめたものを一冊にまとめる決心をしました。

老後は田舎暮しをしたいという主人に同調し、私のふるさと、山形の河北町に生活の一部を移したのもこの頃でした。忘れかけていた自然の美しさと里の人々の素朴さに心打たれ、そのことが短歌作りやその他諸々の作品を手がける原点になりました。
 また一方で、母、兄、甥、友人、そして娘の夫の死など、ここ数年の間に数々の不幸にも遭いました。悲しい出来事でしたが、これも避けて通れない人生、挫けそうになりながらも耐え忍びました。

身内の話を公にするのは不遜、不謹慎な事と、一時は躊躇しましたが、私はあえて、その部分のみを取り上げてまとめ、私の足跡にすることにしました。
 原稿を読み返して、自分よがりの作品に嫌気がさし、何度か投げ出そうとしたこともありましたが、そんな時に勇気づけてくれたのが、亡き母の「メモ帳」と、圭介兄が残した「兄弟旅行サイパンを行く」の小冊子でした。
 メモ帳は、母の死後、机の中から見つかりました。その中には、ラジオ、テレビで得たものや、老いに向う姿勢などが死の間際までびっしりと書いてありました。終りの方の文字は乱れておりましたが、その時に覚えた感動は、いまだに忘れる事が出来ません。
 さらに、インフルエンザに罹って、ひとり臥せていた時に、何気なく取り上げて読み返したのが、偶然にも亡き圭介兄の失敗談、サイパン行きの時の「紙パンツ事件」のユーモラスな文章でした。
 はからずも、「みよ、何をくよくよ考えているんだ。恥を捨てて書いておけ」という母と兄の天の声を聴いた思いでした。

挫折の連続でしたが、何ヶ月もかかってようやく仕上げる事が出来ました。折にふれ、私を引っ張っくれた友人や家族に、仕事や遊びを通して教えていただいた事が数限りなくあります。周りの人々の援助があって、今の自分があることに感謝し、その方々にも読んで頂ければ幸いに思います。