出版の基礎知識

本作りはよく、家作りに似ていると言われます。著者が施主であれば、編集者はその意向を汲み、ベストな設計(企画)を行います。現場監督として、装丁や本文のレイアウトをデザイナーに指示します。さらに、印刷会社、製本会社に適切な施工を依頼します。編集者の役割は、まさに、本作りのコーディネーター。いい本が作れるかどうかは、編集者の腕にかかっているのです。

編集の一般的な流れ

  • 企画

    本の企画を考え、全体の構成、イメージを固めます。この作業は、編集者単独で行ったり、著者と共同で行ったり、編集部内の編集会議等で進められます。

  • 原稿整理

    編集者が著者から入手した原稿を吟味し、その原稿の内容と形式について刊行できるように仕上げる作業をいいます。テーマや表現のスタイル、内容のレベル、構成、分量、名誉毀損や著作権などに関わる法規上の問題がないか吟味します。

  • デザイン

    本のイメージにあわせて、デザイナーに表紙デザインや本文のレイアウトを指示します。

  • 校正

    校正用紙にて校正を行います。文字修正の他、体裁を整えるための校正を行います。時には、著者に代わって原稿の加筆・修正を行います。この作業は、修正がなくなるまで、何度も行われます。

  • 印刷・製本

    校了後、印刷・製本に進み、本が完成します。

[原稿編集の目的]

  • 原稿の内容の検討とその整理

    記述に誤りがないか、不正確であったり、あいまいであったり、言葉使いが変であったり、見出しの構成や順序に問題はないか、著作権などの法規上問題がないか、全体スケジュールはどうなっているのか等々、項目に沿って原稿内容を点検し、必要ならば、著者と相談の上、加筆修正を行います。

  • 原稿整理

    編集者が著者から入手した原稿を吟味し、その原稿の内容と形式について刊行できるように仕上げる作業をいいます。テーマや表現のスタイル、内容のレベル、構成、分量、名誉毀損や著作権などに関わる法規上の問題がないか吟味します。

  • デザイン

    本のイメージにあわせて、デザイナーに表紙デザインや本文のレイアウトを指示します。

  • 校正

    校正用紙にて校正を行います。文字修正の他、体裁を整えるための校正を行います。時には、著者に代わって原稿の加筆・修正を行います。この作業は、修正がなくなるまで、何度も行われます。

  • 印刷・製本

    校了後、印刷・製本に進み、本が完成します。

製本とは

製本とは、原稿や印刷物などを糸や針金、接着剤などで綴じ、表紙をつけて一冊の本に仕上げる作業です。日本では、平安時代に和綴じ製本が考案され、その後、袋綴じと呼ばれる様式が広く用いられるようになりました。明治時代初期になると、当時の印刷局に雇われたイギリス人によって、洋式製本がもたらされ、製本機械の導入や国産化に伴い、急速に普及しました。現在、製本といえば、洋式製本が一般的で、和綴じ本は特殊な本以外には使われません。

製本の種類

書籍の製本には、上製本と並製本の2種類の方法が用いられています。上製本と並製本のどちらがいいとは、一概にいえません。それぞれの特徴を知って、ご自分の作りたい本の種類やイメージに合った製本を選びましょう。

  • [上製本の特徴]

    一般にハードカバーと呼ばれる製本方法です。上製本は、ボール紙などの厚い紙を芯に使い、それを紙や布、革などでくるんで表紙を作ります。表紙が中身部分よりひとまわり大きく、強度が高いのが特徴です。上製本には、背の形によって、丸背と角背があります。丸背は、文字通り背表紙が丸い形をしており、ページ数の多い本でも開きやすいというメリットがあります。逆に、ページ数が少ない場合は、丸みを出すのが難しいため、角背が使われます。

  • [上製本の作業工程]
    • 折丁

      製本する印刷物(刷本)は、通常1枚の大きな紙に16ページ単位で両面印刷されています。そこで、まず、刷本を折り機にかけて、ページ順になるように折りたたみます。このように、1ページずつに折られた刷本のことを「折丁」といいます。

    • 丁合

      次に、丁合機という機械にかけて、折丁をページ順に重ねて一冊の本の形に仕上げます。この工程は「丁合」といいます。丁合後、乱丁、落丁などがないことを確認します。

    • かがり

      上製本では、通常、糸かがり綴じが用いられます。糸かがり綴じは、折丁を開き、中心に針と糸を通して綴じていきます。A5判では、4ヶ所、四六判では3カ所程度が綴じられます。

    • 下固め

      綴じられた側(のど)は、折り目と綴じ糸で反対側(小口)より厚くなっているため、ならし機にかけて、全体を均一に整えます。

    • 三方断裁

      紙面の天、地、小口の三方の余分な部分を裁断して寸法を整えます。丸背にする場合は、本の背をヒーターで柔らかくしておいて、丸み出し機(バッキング機)を使って、形状を丸くします。

    • 背固め

      背の部分に接着剤を付け、寒冷紗というガーゼのような布で背貼りをして補強します。

    • 表紙付け

      最後に、別に作っておいた表紙で包み、上製本が完成します。

  • [上製本のメリット]

    上製本は、並製本に比べると上質な雰囲気があります。また、製本工程からもわかるように、中身をしっかりと糸で綴じ、丈夫な表紙でガードしているので、強度に優れ、長期の保存にも耐えられます。上製本は、主に小説や絵本、記念誌、写真集などによく使われます。費用は高くつきますが、外観を立派にしたい場合などは、上製本を選ぶといいでしょう。

  • [並製本の特徴]

    一般にソフトカバーと呼ばれるもので、雑誌や文庫本などに広く用いられています。並製本は、やわらかい厚紙の表紙で仕上げます。中身より表紙がひとまわり大きい上製本に対し、並製本は表紙と中身が同じ大きさです。また、並製本には、背の綴じ方によって、「中綴じ製本」、「無線綴じ製本」、「平綴じ製本」などがあり、用途によって使い分けられています。

    • <無線綴じ製本>

      ホットメルトと呼ばれる接着剤で中身と表紙を貼り合わせるのが、無線綴じ製本です。無線という呼び名は、製本の際に線(針や糸)を使わないことからきたものです。また、表紙を付けた状態で三方断裁を行うので、表紙と中身が同じサイズになります。無線綴じ製本の工程は、全自動化されており、大量生産ができるため、現在、雑誌や一般書籍のほとんどに用いられています。

    • <中綴じ製本>

      中身と表紙を一度に丁合し、ホッチキスや糸で見開きの真ん中を綴じる方法で、雑誌やパンフレット、取り扱い説明書などによく使われます。中綴じ製本は、最も簡単で安価な製本方法ですが、独立した背の部分がないので、厚みのある本には適しません。また、開きが良い反面、中身と表紙を数カ所留めてあるだけなので、無線綴じ製本に比べると強度は落ちます。

    • <平綴じ製本>

      丁合後、折丁の背の内側を表面から針金で綴じる製本の仕方で、主に報告書や小冊子などに用いられます。平綴じ製本の場合、のどが完全に開かないため、見やすさを考慮に入れて、ページの内側にある程度余白を取ったレイアウトにする必要があります。

  • [並製本のメリット]

    並製本は、上製本に比べると作業が簡略化されているため、コストを抑えられるのが大きなメリットです。外観にこだわらず、手軽に安く仕上げたいという方は、並製本を選ぶといいでしょう。

判型とは

本の大きさのことを「判型」といいます。判型には、使用する用紙の仕上寸法によって、A判、B判、四六判、菊判などがあります。このうち、A判とB判は、日本工業規格(JIS)の規格寸法で、書籍のほとんどは、この規格サイズに従って作られます。規格外の判型では、四六判がよく使われます。

  • [A判]

    A判は、1929年にドイツの工業規格をそのまま日本工業規格(JIS規格)に採用したもので、A1〜A7の判型があります。A判サイズの本を作る時は、A列の原紙(仕上がり寸法に裁断する前の大きさの紙)を使います。A判の基となる全紙(A0判)の寸法は、841mm×1189mmで、これを横半分に裁断したものがA1判となります。このように、A0判を基準にして順次横半分に裁断することによって、A1〜A7の判型ができるのです。たとえば、よく見かけるA4判は、A0判を4回裁断したものということになります。A判は、合理的で利用価値が高いため、国際規格(ISO規格)にも採用されています。

  • [B判]

    B判は、日本独自の規格で、江戸時代に公用紙として使用されていた美濃判がルーツです。明治、大正時代には、美濃判が基になって作られた四六判が多用されていましたが、当時はまだ規格が統一化されていませんでした。その後、規格の標準化が進められる中で、ドイツ規格のA判が採用されましたが、一方で、伝統的な四六判を残すことが求められていました。そこで、A判の面積を1.5倍にすると、四六判に近いサイズ(B6判)の用紙がとれることから、これをB判として規格化しました。日本の公文書では、長い間、B判(B4判、B5判)が使われていましたが、1990年以降、国際規格であるA判(A4判、A5判)が使用されるようになっています。

  • [四六判]

    明治時代にイギリスから輸入されたクラウン判が基になっています。クラウン判は、日本古来の判型として親しまれていた美濃判の約8倍の大きさだったことから、最初は大八ツ判と呼ばれましたが、裁断すると4寸×6寸のページが32面とれることから、四六判と呼ばれるようになりました。

  • [菊判]

    明治時代の中頃、アメリカから輸入した紙の商標が「ダリア」だったことから、日本語訳の夏菊からとって菊判と呼ばれるようになったとされています。また、この紙を半分のサイズにして新聞用紙として使用していたため、新聞の「聞」の読みである「きく」を「菊」に変えて菊判と呼ぶようになったという説もあります。菊判は、現在でも単行本などに使われています。

判型のサイズと主な用途

本の内容によって、使われる判型は、ある程度決まってきます。たとえば、文庫本ならA6判。小説やエッセイ、文芸書などの単行本は、B6判か、それよりひとまわり大きい四六判を使うのが一般的です。また、専門書、学術書、ビジネス書には、A5判が多く、写真集や美術書、絵本などのビジュアル系の書籍は、A5判以上の大きな判型にするのがポピュラーです。 判型は、本文の字の大きさやレイアウト、ページ数にも関わってくるので、ご自分の本の内容にふさわしいのはどのサイズなのか、よく検討した上で決めましょう。

  • ■A判
    判型 サイズ 主な用途
    A4判 210×297 書籍、雑誌、写真集、パンフレット、カタログ、電話帳
    A5判 148×210 文芸誌、一般書籍、学術書、教科書、ビジネス書
    A6判 105×148 文庫本、辞典、パンフレット
    A7判 74×105 手帳、ポケット判辞典
  • ■B判
    B4判 257×364 画集、グラフ誌
    B5判 182×257 書籍、雑誌、週刊誌、カタログ
    B6判 128×182 書籍
    B7判 91×128 手帳
  • ■規格外の判型
    四六判 127×188 書籍
    菊判 150×220 書籍
    AB判 210×257 ワイド判婦人雑誌、美術、建築雑誌
    重箱判 182×206 絵本
    新書判 103×182 新書本、パンフレット

本の流通のしくみ

書店での本の販売は、一般的に取次会社を通して行われます。取次会社は、いわゆる問屋に当たるもので、書籍や雑誌などを出版社から仕入れ、書店に卸売りします。出版社→取次会社→書店のルートは、正規ルートとも呼ばれ、一年間に発行される出版物の70%以上が、このルートを通って読者のもとに届くのです。出版者は、取次会社との間に取引のための特別な口座を開設することになっています。取次会社との取引口座は、すべての出版社が開設しているわけではなく、新たに取得するのも難しいとされています。ですから、本を正規ルートで流通させるためには、取次会社との取引口座を開設している出版社から発行しなくてはなりません。ちなみに、正規ルート以外には、以下のような流通ルートがあります。

  • [直販ルート]

    学研やベネッセコーポレーションなど出版社直属の代理店による販売ルートです。永岡書店のように書店との直販ルートを持っているところもあります。

  • [通信販売ルート]

    新聞広告などで、読者から直接注文を受ける販売方法です。

  • [教科書ルート]

    各都道府県にある教科書特約供給所を通じて、学校や児童、生徒に販売します。

  • [生協・農協ルート]

    取次会社を経由して、生協や農協で販売します。

  • [鉄道弘済会ルート]

    鉄道弘済会本部からJRのキオスクを通じて販売するルートで、鉄道弘済会が取次会社の役割を担っています。週刊誌や雑誌がほとんどですが、文庫や新書なども販売しています。

  • [新聞販売ルート]

    新聞取次店を通じて、主に新聞社系の週刊誌を販売します。

  • [割賦販売ルート]

    セールスマンによる百科事典や全集、図鑑などの販売です。

  • [CVSルート]

    コンビニによる雑誌やコミックなどの販売です。

  • [ネット書店ルート]

    アマゾンや楽天ブックスなどインターネット書店による販売です。

  • [地方出版物ルート]

    「地方・小出版流通センター」を通じた販売です。地方・小出版流通センターは、取次会社と取引のない小規模な出版社や地方出版社にも、流通経路を開くことを目的に設立された組織です。

書店流通の形態

書店との取引には、3種類(委託・注文・買切)の形態があります。どのような形態で取引されているかは、出版社や本の内容により異なります。

  • [委託]

    取次会社が全国の書店に配本し、販売する方法です。現在、書店で販売されている本のほとんどは、委託販売を利用しています。委託販売は、書店に一定期間委託するもので、この期間内に売れ残った本は、返品することができます。書籍の委託には、新刊委託や長期委託などの種類があり、委託方法、期間は、様々ですが、新刊委託の期間は、通常6ヶ月間です。また、配本部数の判断は、取次会社が行います。これは、ランクパターン配本と呼ばれ、取次会社が書店をランク分けして、上位の書店ほど配本部数は多くなります。配本された本の陳列方法は、書店サイドで決められます。

  • [注文]

    書店が出版社に注文し、その冊数分を書店に納品する形態です。委託配本が売れて、補充する時に行われます。本の間に挟まっているスリップは、売上げ票と補充用の注文票を兼ねています。この注文票が取次会社を経由して出版社に届けられ、出版社から出荷された本は、再び取次会社を経て書店に届けられる仕組みとなっています。

  • [買切]

    書店がその本を買い取るシステムです。原則、返本不可能なため、書店にとってはリスクが高い方法です。買切には、買切、完全買切、条件付き買切などのタイプがあります。コミックの初回限定本などに多い完全買切は、絶対に返本できませんが、通常の買切の場合は、出版社との交渉次第で返本できることもあるようです。また、条件付き買切は、出版社の承認で返本しても良い条件を付けるものです。出版社の中には、返本によるリスクを避けるため、岩波書店のように買切しか認めていないところもあります。

自費出版をする方のために、知っておくと役立つ出版用語をまとめてみました。まだまだ物足りない内容かとは思いますが、これから、ますます充実させていきたいと考えております。

奥付(おくづけ)
本文の最終ページに、タイトル、著者名、発行年月日、発行者名、発行所名、印刷所名などが記載されたページをいいます。
オフセット印刷
原稿から製版フィルムを作り、そのフィルムをアルミ板に焼き付け、印刷用の刷版を作ります。カラー写真などの仕上がりが美しく、耐久性に優れています。少部数の場合は割高になりますが、一定部数を超えると単価が下がってきます。
オンデマンド印刷
コンピュータからのデータを直接利用して印刷する方法。少部数であるほど強みを発揮する印刷技術です。
買い切り
委託販売と異なり、書店などの販売業者が仕入れた書籍を返品しないことを条件とする販売制度をいいます。
改行
段落の区切りを示すために、行を新たにはじめることをいいます。一般に改行した段落の最初の行頭は1字下ガリとします。
改訂版
作品の一部内容を改訂、訂正して再発行した版をいいます。
改丁(かいちょう)、改ページ、追い込み
本のそれぞれの要素や見出しなどについて、奇数ページから開始する方法が改丁、奇数・偶数を問わず新しいページから開始する方法が改ページ、新しいページから開始しないで、前の要素や前の見出しに含まれる文章の後ろに続けて、同一ページに配置する方法を追い込み(おいこみ)といいます。
切り抜き
写真原稿などの不要部分を切り取ることをいいます。
キャプション
写真や表組、図版などの説明として入る注釈のこと。ネームともいいます。
組版(くみはん)
原稿の指定に従って、文字・図版などをページに配置する作業をいいます。
下版(げはん)
校了になった版を刷版工程に移すことをいいます。
原稿
印刷物に利用する文字・画像などの総称をいいます。
校正(こうせい)
製版や印刷にかかる前のゲラ(出力用紙等)で、誤植・脱字等をチェックし修正する作業をいいます。1回目を初校、2回目を再校と呼びます。著者や編集者が、原稿と照らし合わせ、赤い鉛筆などでチェックしていきます。文字以外の写真や図版の大きさ、位置、キャプションなども確認します。誤りが残ったままですと、そのまま印刷されてしまいますので、丁寧にチェックしてください。
校了(こうりょう)
校正が終了し、印刷への許可が出ることをいいます。その際の校正紙を「校了紙」、修正はあるが、印刷会社の責任で印刷に入ることを「責了」、その際の校正紙を「責了紙」といいます。
刷版(さっぱん)
印刷機にかける版をいいます。
雑誌コード
出版社が発行している雑誌を管理するためのコードをいいます。
書体とフォント
書体は、印字、画面表示のために、統一的な意図により作成された一組の文字や記号のデザインのことであり、フォントは、ある書体により作成された字形の集合です。しかし、ある見出しにあるフォントを使用する、またはある書体を使用するといった場合、ある特定の字形の集合(フォント)を使うことは、ある特定のデザイン(書体)された文字を使うことであり、意味内容はほぼ同じとなります。
スリップ(短冊)
本の中にはさむ短冊形・二つ折り型の売上げコードで、出版社への追加注文票を兼ねています。
絶版(ぜっぱん)
既刊本の発行を終了することをいいます。
装丁(そうてい)
表紙、扉、カバーなど、本のデザインを行うことをいい、一般的には、表紙カバーデザインのことを装丁と呼びます。
増刷(ぞうさつ)
当初発行した部数が足りなくなった場合、同じ版で再度発行することをいいます。
台割(だいわり)
台とは、印刷機で一度に印刷できるページ数の単位、または製本の際に折る単位をいいます。この台を単位として、印刷物の全体のページを分割し、整理する表を台割といいます。いわゆる、本を作る際の設計図ともいえるもので、「表紙→扉→目次→まえがき→本文→あとがき→奥付」といった構成順序とページ数を指定したものをいいます。普通の紙の場合、製本で折る単位は、一般に16ページです。従って、本は、16の倍数のページ数にするとコスト的に効率的な本といえます。
直販(ちょくはん)
出版社が、取次を通すことなく直接、読者や販売代行店等に販売することをいいます。
束(つか)
書籍の厚み。表紙を除いた本の厚みをいいます。
トリミング
写真の一部を使う場合など、使用する範囲を指定することをいいます。
入稿(にゅうこう)
原稿を印刷工程にまわすために、印刷所に渡すこと。なお、執筆者が出版社に原稿を渡すことも入稿ということもあります。
ノンブルと柱(はしら)
ノンブルは、各ページに表示する順序を示す数字、ページ付けの数字であり、柱は、各ページの版面の余白(最上端、最下端または前小口)に書名・章名または主要項目などを示したものをいいます。柱には、奇数ページにのみ掲げる片柱(かたばしら)方式と奇数ページ・偶数ページの両ページに掲げる両柱(りょうばしら)方式とがあります。両柱のときは、偶数ページに比重の大きい見出し(または書名)を、奇数ページには比重の小さい見出しを掲げます。
判型(はんけい)
出版物の大きさのこと。通常は、紙の規格サイズに沿って、A判系、B判系、四六判があります。
版数(はんすう)
初版から何回改訂し、版を改めたかを示す用語で、第2版などのように用います。増刷の回数を示す刷数(さっすう)とは異なります。
版元(はんもと)
出版社(発行所)をいいます。
変形判(へんけいばん)
JIS規格で、A判、B判以外の判型をいいます。
本文(ほんもん・ほんぶん)
  • 書籍を構成する主要部分。一般に本文の前には前付(まえづけ)、後には後付(あとづけ)があります。
  • 見出しや注、図版、表などを除いた記事の中の主要部分。
  • 柱とノンブルを除いたページ内の主要部分。
  • 表紙、見返し、その他の付属物を除いた本の中身。
見返し(みかえし)
本体表紙の裏と本文との間に、補強のために入れている紙をいいます。
ムック
BOOKとMAGAZINEの間という意味の合成語。雑誌形態の単行本。写真や図版中心のものが多いようです。
約物(やくもの)
句読点や括弧類など記述記号の総称、その他の記号や印物(しるしもの)を含め約物という場合もあります。
ルビ
フリガナのこと。ルビをつける対象の文字は親文字といいます。
ISBN
International Standard Book Numberの略で、「国際標準図書番号」のことです。流通のコンピュータ化を図る国際的ルールによる書籍番号(2007年1月より13ケタに移行)で、これにより発行国、出版社、書名が分かります。日本では、ISBNコードに分類コード、価格を加え、「日本図書コード」の形で使用しています。日本図書コード(http://www.isbn-center.jp/)
DTP
DTP(Desk Top Publishing)ソフトは、レイアウトソフトとも呼ばれ、あらかじめデジタル化したテキストデータや画像データをページに配置し、体裁を整える作業を行うものをいいます。
PP貼り
ポリプロピレンフィルムに接着剤を塗布し熱風乾燥させた後、紙とフィルムを熱圧着して貼り合わせる加工をいう。非常に光沢があり(光沢のないタイプもあります)、耐久性も増します。

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