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遺稿俳句集

母を偲んで 遺稿俳句集−丘山初音

編 / 丘山禎一
俳句 / 丘山初音
サイズ:A5判
製本:ハードカバー、クロス貼り、箱付
ページ数:250ページ(カラー+モノクロ)
発行日:2009年1月25日
内容紹介(一部)

春めくや 地の物音は 起き上がり

連翹の 黄にさそわれて 饒舌に

わだかまり 青ざめて立つ 花水木

初蝶や 紙の飛ぶごと 舞い降り来

蒼天の かなしきものや 朴散華

少年の 銀輪新緑に 煌めけり

雨傘の 二つ三つ行き つばめ翔ぶ

呼び交って 親子雀も 雨の中

さらさらと 尾長の青に 春の雪

春の戸を 叩いて雷 鳴り響き

春霰 雨具の欲しい 犬が行き

先ず髪に 挿してたんぽぽ 摘む子かな

春月の 滴り落ちて 鬼瓦

蒲公英の 絮毛乗り来る バスの中

トンネルを挟み 植田と 紫雲英田と

椋鳥の 巣立ち静かな 雨が降り

小さき靴 行きてもどりて 春の雪

春の雪 砂場の玩具も 降り埋み

遠き犬 春の夜の底 吠えやまず

泣き出した かくれんぼうの鬼 山笑う

氷点下 夜も一途に 老いの猫

枯野ゆく 人驚かせ 初雲雀

舞い込みし 花びらの一つ落ち 陶器店

土鈴ふる 少女の頬に 風光る

跳ねる鯉 春の雲には 届かれず

大樹の下 狛犬蜂と たわむれて

蜆蝶 ぱっと湧き立ち 子が走る

路地ぬけて 春満月の 黄に逢えり

花吹雪 小さき手もと 砂の山

泥はこぶ 燕のはらの 白さかな

春浅く 日溜まりにいる はえひとつ

足止めて 花舗にあふれる 春を浴び

結界に 並びし桜 三分咲き

ままごとの 皿にたんぽぽ 君臨す

卯の花が ほろほろほろと 木工所

連凧が 上がり親子の 日曜日

かたかごや 群れてひそかな もの思い  かたかご=かたくりの花

連翹の 黙思の末に 花咲けり

鯉幟 はためき子等の 仲直り

藤の花 人を呼ぶかに 昏くゆれ

散り敷くを 見上げて黄揚の 花と知る

春の星 明けきるまでは 待ちきれず

ころころと 出番を待ちて 蕗の薹

枝垂れ柳 芽吹きて雨の 中に揺れ

浮く芥 くずむあくたと 川は春

黄梅の 灯れるほかは 川昏し

草も木も 背伸びの用意 二月空

アンテナに 鴉一羽づつ 鳴き交わす

初蝶や 赤き頭巾の 野仏に

庭に来て けたたましきは 春の鵯

藤房の 色濃くなりて 雲流る

箒目を 空に紅梅 まっさかり

咲き初めし ばかりに雪や 沈丁花

親燕 地が低ければ 低く翔び

鶇来て 春の光を ちらしゆく

梅を見て うしろの闇に 気付かざり

ユーカリの 皮垂れ下がり 濡れ燕

花三分 夕べ無人の 滑り台

魁けて 木瓜の赤さの 植木棚

睥睨し 頭もたげる 蝮草

眠るもの 皆目覚めよと 春立ぬ

春一番 のこれる星の うるめけり

一粒の 連翹が咲き 昼の月

花の晴れ たんぽぽ渡る 白き蝶

野の鳥を 耳に花びら 浴びており

花曇り 山鳩の声 きりもなく

花屑の 溝にあふるる 学校前

春鴉 人すれすれに 翔びゆけり

咲く花に 心して降れ 春の雨

木蓮の 一つ残さず 嵐吹く

大揚羽 出入り激しき 今日の庭

恋の猫 夢の中まで きて鳴ける

自転車の 学生がゆき 合歓の花

雑木山 茫々として 笑いだす

日の当たる ところに黒猫 日短か

黒雲の 落とす火のむ 春落暉  落暉=落日

花びらの 旋風なして 街の角

春昼の 自販機の前 郵便夫

泣いた子も 泣かせた子にも 桜散る

桜しべ 降る校門を行く 親と子と

昨日桜散り 今日は 水木咲く

つばくらめ 信号替わり 街にごる

春時雨 寄添いてゆく 母娘づれ

鴉高く 鳴く日の続き 雪やなぎ