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エッセイ

フィリピン人介護福祉士候補生の
日本語奮闘記

著 / 小池真己恵
サイズ:四六判
製本:ソフトカバー
ページ数:80ページ
発行日:2012年11月21日
価格:800円(+消費税)
ISBN:978-4-903935-83-6
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内容紹介(まえがき)

「セブ島、青い海、マンゴー、バナナ、あ、それから灼熱の太陽・・・
フィリピンって言ったら、そんな感じかな?」

十年来の親友、しなちゃんはこう言った。
彼女は、韓国の日本語学校で同僚として働き、
今は長野で日本語教師を続けている。

「でも、なんで突然フィリピン? 
もしかして、次はフィリピンへ行くの?」
好奇心旺盛な彼女は、
パフェに添えられた巨峰の粒と同じくらいの瞳で、
私の顔を覗き込んだ。

「違う違う、実は今度うちの学校に
フィリピン人の介護福祉士候補生が来るの。
それで私、日本語研修の担当になってね。
まずはフィリピンの情報、集めようと思って」
しなちゃんと対照的に、私の瞳は、ややうつむき加減だった。

「そうなんだ。で、どのくらい研修受けるの?」

「六カ月。半年経ったらすぐ、介護施設で働きだすんだって」

「へえ〜半年って言ったら、初級が終わるか終わらないかって感じだよね。
フィリピンで日本語の勉強したことあるのかな?」

「ほとんどないらしいよ・・・」

「え〜〜大変! それですぐ介護の仕事?」

「うん、おまけにね、四年後には日本人と同じ国家試験受けて、
パスしないとそれで帰国しなきゃいけないんだって」

「そりゃ厳しいね。だって、フィリピンって非漢字圏でしょ? 
日本人だって難しいって聞くよ、その試験」

「そうだよね・・・」

こんな会話を交わした一カ月後の、二〇〇九年五月十日、
七十八人の介護福祉士候補生が、海を越えてやってきた。

(以下略)