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闘病記

頸髄損傷を生きる
ワラをも掴め!!

著 / 出口臥龍
サイズ:A5判
製本:ソフトカバー
ページ数:192ページ
発行日:2012年9月3日
価格:1,500円(+消費税)
ISBN:978-4-903935-85-0
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出口様は他にも書籍を作られています。


半生回想記
今ひとたびの旅立ち


小説


内容紹介(一部)
アメリカン・コーヒー

朝五時半、けたたましい時計の音で目覚めた。
いつものようにコーヒーを淹れる。
日本から持参した粉をサイフォンに入れ、
目いっぱい一リットルほどのアメリカン・コーヒーを作る。
それをマグカップに注ぎ、少しずつ啜りながら朝食を準備する。

平成十六(二〇〇四)年一月十二日。

台中の空は青く澄みわたっていた。
冬とはいえ春のような暖かさだった。
台湾支社はマンションの最上階で、国民中学校の校庭を見下ろす位置にある。
三々五々、子どもたちが校門をくぐってくる。
この時間に登校してくるのは部活の生徒たちだろう。
平穏で静かないつもの光景だ。

十年間勤めた会社に見切りをつけ、独立したのが厄年の四十二歳。
三年後には台湾と中国に支社を構えた。
だから月に一度は台中に通わねばならない。

六時をちょっと過ぎたころ、王君が出社してきた。
つまり私は、台中に滞在中はオフィスに寝泊りしているというわけだ。

この日二人は、台湾北部の首都である台北市に出掛けることになっていた。
荷物は前の晩に準備し、約十社のアポイントメントもとってあった。

バスは定刻をわずかに遅れ、七時半過ぎに出発した。
台中港路を西に走り、台中インターチェンジから高速道路一号線に入った。
乗客はほぼ満席。

約二時間走行し、渋滞に捉まってバスは急停車した。
そのショックで私は目覚めたが、
バスは高速道路上にあり、場所は新竹あたりと思われた。
毎朝コーヒーを五、六杯は飲む私は、この辺りでトイレに立つ習慣であった。

そしてまったく思いがけない大事故に遭遇した。
ほんの一瞬の事故で、私の人生は、どんでん返しを喰らってしまった。

(以下略)