ビジネス書 | ソニーのメルトダウン 愛すべきソニーへの鎮魂歌
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著 / 北脇孝美
内容紹介(一部)
プロローグ
世界に先駆け、数々のヒット商品の創出により、継続的な企業成長を通じてブランド力を強化してきた『世界のソニー』。ところが、盛田昭夫氏の死後、これといったヒット商品が出ていないのは寂しい限りだ。ソニー神話が崩壊したと感じるソニーファンは世界中におられることと思う。
そこで現状を批判するのではなく、そこに隠れた本質を解くことこそ、ソニーばかりではなく、日本の産業界の生き延びる道であると考える。そのためには、製造国日本の行方を大胆に予測し、さらなる救済施策の提案に向けて、日本が抱える政治危機と企業危機等の取り巻く環境の分析が急務である。私がこれまでに携わった幅広い分野の情報や貴重な経験を生かすことで、企業やそれを支える人達の隠れた能力やさらなる可能性創出の一助とするべく、この本の執筆を思い立った次第である。
(以下略)
テレビ事業はソニーの顔だった(70~90年代)
70~90年代のエレクトロニクス企業の中核は何と言ってもテレビ事業だった。家電メーカーにとってカラーテレビは技術の粋がぎっしりと詰まり、宝石箱のような輝きがあった。
テレビ事業はブラウン管時代からソニーの顔だった。当時の事業部門はテレビ、オーディオ、ビデオ、放送用機材の4つで構成され、一時はテレビが売り上げの50%を占め、あとを3部門で分け合っていたほどだった。
(以下略)