旅行記 | ラッパー、サンゴールを歌う セネガルてんやわんや
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著 / 高須奈緒美
内容紹介(一部)
おそるべし、サチコさん
ねえ、セネガル行こうよ」
サチコさんからの電話は、いきなりかかってきた。一九九三年の暮れのことだ。
音楽プロデューサーをしているサチコさんは、鬼も顔負けの体力と、底抜けの明るさと、強靭な胃袋を持ったのびやかな美人。大食いでは誰にも負けない。腹もこわさない。フランス語はペラペラ。世界中に、強力かつ強烈な友だちネットワークを持っている。
(以下略)
マリアマの手は魔法の手
マリアマは、毎日きっかり九時にやって来る。合鍵は持っているが、必ずチャイムを鳴らす。チャイムを合図に私はドアを開けて玄関でマリアマを迎え、その場で二言三言、昼までにやってほしいことがあれば伝え、マリアマに見送られて勤めに出かける。
(以下略)