小説 | けまん草─もじり橋から

書籍画像「けまん草─もじり橋から」

著 / 団々木 七五三春(だんだんぎ しめはる)

  • サイズ:四六判(H188xW127mm)
  • 製本:ソフトカバー
  • ページ数:176ページ
  • 発行日:2017年4月5日
  • 価格:1,000円(+消費税)
  • ISBN:978-4-907446-60-4
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内容紹介(一部)

世にも奇妙な住宅

マイホームは暗いのだ。

おまけにカビ臭い。

これだけ聞くと最悪な環境のマイホームであるが、季節によっては田を渡る風が、心地よさをそっと置いてゆく。

家から北北西の見渡せる位地には一宮があり、神聖なところでもあるのだ。

ゆえに、なお一層、吹き渡る風が心地良いのかも知れない。

この家の日常は、実に奇妙な環境で事が行われている。

いや、行っているのではなく、無意識のうちに日常的になっているのが正解と言えよう。

その日常を繰り広げる住人達の自宅は、いわゆる「世にも奇妙な・・・」の住宅環境に入るのだろうと、私こと「砂山美海」は、そう思っている。

司家の間取り

まずは、この家の間取りから説明に入ろう。

東向きの和風玄関を入り六尺幅の廊下が二間ある。通称「朝日通り」と呼ぶ。

この朝日通りを突き当たると、北側に延びる四尺幅の廊下が四間ある。

通称「中通り」と呼ぶが、別名「暗渠通り」とも言う。それには理由がある。

中通りを挟んで東側には、十二畳の台所と八畳程の居間があり、西側には八畳の和室とその奥に八畳の仏間がある。

中通りに戻ると、通りに面した和室の北側は、二階に上る約三尺幅の階段があり、しかもこの階段は日常利用していないようだ。

理由について「美海」は、分からない。

(以下略)

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