家族史 | 父の家族の記

書籍画像「父の家族の記」

著者 / 山田太助
ミドリ・穂積・美穂子・稔穂

  • サイズ:四六判(H188W127mm)
  • 製本:ソフトカバー
  • ページ数:318ページ
  • 発行日:2022年1月20日

内容紹介(一部)

はじめに

父の葬儀を終えた翌日のこと、居間にいた母と私は何をするでもなく、ただ時々思い出したように父の話をポツリポツリとしていました。父のいつも座っていた場所に、父がいない。家族が一人欠けてしまったのだなぁ…ぼんやりと思いながら、ふと書棚を見上げると、何やら黒いものが見えます。手帳でした。

(以下略)

1989年

1月1日(日) 新年おめでとう。本年もよろしく。元朝参りなし。ゆく年くる年を迎えて就寝、寝正月でくれる。家内安全を祈る。今朝は日ノ出は大きくくっきりと朝日輝くとても瞼しい[眩しい]太陽が顔を出し、S64年の門出を祝っていた。郵便配達さんの来る頃には小雨が降っていた。眞新しい暦を一枚はぎ取り、1月1日元旦の色あざやかさを知って私の心も清くきよめられた。健康に注意して59歳を無事に乗り切ろう。友からのハガキを読みながら。

(以下略)

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